津軽塗 青森県漆器協同組合連合会

津軽塗伝統工芸士会 craftsman

津軽塗伝統工芸士会とは

津軽塗伝統工芸士会(以後、本会)は、伝統技術の継承と更なる技術向上、 そして後継者の確保と育成を目的とし1980年に設立されました。2023年現在、13名の津軽塗伝統工芸士が会員として活動しています。 また、そのために一層の研さんに励み、技能者の地位向上と後継者の確保に資するために努力し、 併せて会員相互の親睦を図り津軽塗業界の発展に寄与することも、目的としております。
津軽塗伝統工芸士会

主な活動内容

  • 津軽塗伝統工芸士会作品展を開催し、会員の作品の展示・販売に加え、研ぎ出し体験を実施
  • 小・中学生に対し、津軽塗の歴史講義や製作体験を行うなど、伝統工芸品の教育活動
  • 岩木山麓にある漆植栽地での下草払い、肥料やり、漆かき、といった漆山の維持・管理作業
伝統工芸士は、伝統工芸品の製造に従事されている技術者の中でも、高度な技術や技法を持った技術者が実務経験や知識試験、実技試験により経済産業大臣に認定されます。
津軽塗伝統工芸士会の活動

会員紹介

坂本 彰彦 SAKAMOTO AKIHIKO

坂本 彰彦
はじめは津軽塗の会社で営業職をしていましたが、実際に塗ってみたいという興味にかられ製作部門に異動しました。研ぎ出しによって模様を出し、そのちょっとした研ぎ方の違いによって模様が変化するとても奥の深い技法に感銘を受けました。2000年頃には紋紗塗に松葉の模様を入れる技術を習得し、今なお自分の思い描く模様を研ぎだす為日々努力を続けています。そしてこの素晴らしい津軽塗の伝統・技術を絶やさぬよう津軽塗伝統工芸士会一丸となって頑張っていきたいと思います。
1956年生まれ
1974年 津軽塗の会社に入社
1983年 全国漆器展 知事賞受賞
1988年 塗師として独立
1994年 津軽塗伝統工芸士認定
2000年 全国伝統工芸品公募展 入選
2005年 津軽塗伝統工芸士会長就任
2016年 経済産業大臣功労者表彰

得意・好きな技法 唐塗(変り塗)

坂本 彰彦(唐塗(変り塗))

蒔苗 太 MAKANAI FUTOSHI

蒔苗 太
津軽塗の老舗に入社、4技法を修行し習得しましたが、私が一番心を惹かれた技法は紋紗塗でした。紋紗塗は他の技法のような派手やかさはありませんが、シンプルが故の渋い重厚感がとても魅力的です。紋紗塗はもみ殻のすすを使用して塗る技法でほとんどが黒色ですが、試行錯誤の末、赤や緑の色を綺麗に出すことが出来るようになりました。津軽塗のすばらしい伝統を崩さずに現在の生活様式に合い、お客様に喜んで使っていただけるような津軽塗を心掛けています。
1947年生まれ
1964年 津軽塗の会社に入社
1994年 津軽塗伝統工芸士認定
1995年 塗師として独立
1997年 全国漆器展青森県知事賞受賞
2001年 全国漆器展日本放送協会長賞受賞
2014年 全国漆器展 伝統工芸品産業 振興協会長賞受

得意・好きな技法 紋紗塗

蒔苗 太(紋紗塗)

今 年人 KON TOSHIHITO

今 年人
津軽塗の中でも唐塗は、色使いや模様がとても多彩で奥が深く、製作していてとても面白く私の一番好きな技法です。 私の津軽塗職人としてのモットーは「真面目で正直な仕事」です。素材にこだわり、地場産の素地や自分で採取した天然漆を多用して、下地から仕上げまで一切手を抜かず、見えない所まで丁寧に仕事することを心掛けています。沢山の皆様に、末永く安心して津軽塗漆器を使っていただきたいと願っております。
1957年生まれ
1973年 塗師・藤田文造氏に師事
1987年 塗師として独立
1994年 津軽塗伝統工芸士認定
2007年 日本漆工協会優秀漆工技術者表彰受賞
2013年 日本伝統工芸会功労者表彰受賞

得意・好きな技法 唐塗

今 年人(唐塗)

白川 勝義 SHIRAKAWA KATSUYOSHI

白川 勝義
修行中に初めて唐塗の仕掛けをうち、漆を塗り、研ぎ出した時に浮かび上がってきた模様を見た時の感動を今でもはっきりと覚えています。その後、七々子塗を修行し唐塗とはまた違う、和紋を綺麗に揃えるとても難しいシビアな研ぎの技術に魅了され、何とかこの技術を身に着けようと切磋琢磨してきました。師匠からの「時間はいくらかかっても、絶対に手を抜かずに丁寧に」という教えを守り、作品としてではなく製品として、お客様に気軽に未永く使っていただけるようなものづくりを心掛けています。
1955年生まれ
1972年 塗師・須藤八十八氏に師事
1982年 津軽塗秀作展仙台通商産業局長賞受賞
1999年 津軽塗伝統工芸士認定
2001年 塗師として独立
2003年 日本伝統工芸士会作品展 入賞
2013年 全国漆器展経済産業大臣賞受賞

得意・好きな技法 七々子塗

白川 勝義(七々子塗)

鈴木 滋 SUZUKI SHIGERU

鈴木 滋
父親も津軽塗職人でしたので、小さい頃からずっと津軽塗を身近に感じていました。そのうち自分でも「いろいろなものを作ってみたい」「いろいろなものに塗ってみたい」と思うようになり、この世界に入りました。津軽塗伝統の技術を駆使しながら、遊び心も取り入れてオリジナルの作品を作成しています。2016年には、オリジナルの箸を特許登録することが出来ました。もっと漆の良さをわかってもらい沢山の人に使ってもらえる時代が来るように、魅力あるものを作っていきたいと思います。
1964年生まれ
1984年 塗師・須藤八十八氏に師事
1994年 塗師として独立
2005年 津軽塗伝統工芸士認定
2015年 津軽塗秀作展 最優秀賞受賞

得意・好きな技法 変り塗(オリジナル)

鈴木 滋(変り塗(オリジナル))

黒滝 茂美 KUROTAKI SHIGEMI

黒滝 茂美
知人の紹介で津軽塗の会社に入社しました。今は職人として『誰も真似できないもの』を作るという目標を持ち、伝統の塗りはもちろん、独自の変わり塗にも積極的に取り組んでいます。また、お椀やお盆などの定番商品だけでなく、タンスや箒などに津軽塗を施したオリジナル商品の開発に力を入れています。これからもさまざまなコラボレーションを通じて津軽塗の可能性に挑戦していきます。
1958年生まれ
1981年 津軽塗の会社に入社
1991年 全国漆器展林野庁長官賞受賞
1994年 津軽塗伝統工芸士認定 日本クラフト展入選
1996年 工房黒瀧設立
1997年 金澤工芸大賞入選
1998年 日本伝統工芸士作品展入選

得意・好きな技法 七々子塗、紋紗塗

黒滝 茂美(七々子塗、紋紗塗)

工藤 健蔵 KUDO KENZO

工藤 健蔵
津経塗の木地師をしていた兄の勧めで津軽塗の道に進みました。津軽塗は本当に手間のかかる漆器ですが、その分やりがいがあると感じています。特に錦塗は津軽塗の中で最も華やかで絢爛豪華な塗りといわれていますが、工程も多く製作に時間も必要です。現在では製作する職人も少なく貴重になりつつある錦塗を後世に残す意味でも、私が錦塗を作るときは精いっぱい心を込めて製作しています。ぜひ多くのお客様に津軽塗を手に取っていただき、私たち職人の仕事ぶりをご覧いただけることを願っています。
1956年生まれ
1971年 成田津軽塗製作所に入社
1994年 津軽塗伝統工芸士認定
2012年 青森県卓越技能者表彰受賞
2015年 日本漆工優秀漆工技術者表彰受賞

得意・好きな技法 錦塗、七々子塗

工藤 健蔵(錦塗、七々子塗)

鈴木 孝 SUZUKI TAKASHI

鈴木 孝
父親や叔父が津軽塗職人で、自然に跡を継ぎたいと思うようになりました。私は伝統を継承しつつ、オリジナリティのある作品作りを目指しています。昔の津軽塗も今以上に様々な色や塗り方があり、先輩達の強い創作意欲を感じます。そして、オリジナリティを追求した私の作品がどこか古津軽塗に似ていると言われることにも不思議な縁を感じています。48工程、約3ヶ月もの手間をかけて作られる津軽塗をもっと多くの人に知ってもらいたい、そのためにこれからも頑張ります。
1951年生まれ
1971年 鈴木漆器製作所に入所
1976年 彩工房設立
2001年 津軽塗伝統工芸士認定
2002年 全国漆器展 NHK会長賞受賞
2008年 全国漆器展 NHK会長賞受賞

得意・好きな技法 唐塗、変り塗

鈴木 孝(唐塗、変り塗)

木村 正人 KIMURA MASATO

木村 正人
津軽塗職人として5代目となる私は、物心がついた頃からずっと職人としての父親の姿を見ながら、津軽塗に囲まれて育ってきました。元々ものづくりが好きな私も自然に職人の道に進んでいました。塗物に対する興味はどんどん膨らみ、師匠である父親の元で津軽塗の修業をしながらも、工業試験場や輪島漆芸研修所で様々な塗りや漆の知識、技術を身に着けました。津軽塗の多彩なバリエーションに自分なりの新たな技術を組み合わせながら、お客様の色々な要望に精一杯応え、喜んでいただけるようなものづくりをこれからも続けていきたいと思っています。
1965年生まれ
1986年 青森県工業試験場漆工科研修生終了
1989年 石川県立輪島漆芸研修所卒業
1999年 津軽塗伝統工芸士認定
2005年 青森県技能奨励賞受賞
2016年 東日本伝統工芸展 入賞
2017年 東京ドームテーブルウェアコンテスト大賞

得意・好きな技法 紋紗塗

木村 正人(紋紗塗)